★ロボットは人間の仕事を奪うのか★
さて今回は”ロボットは人間の仕事を奪うのか?”という問いに対する私の見解についてお話させて頂きます。
時間の経過は本当に早いもので2022年現在、このコロナ禍も既に3年目に突入しました。皆様もご存じの通りこのコロナ禍において私達の生活様式は激変し、環境の変化に対応するべくロボット等の導入による自動化が促進されています。このようなFAのためのロボットや機械導入は、生産現場における作業効率を飛躍的に向上させました。コロナ以前は大型設備投資に対して及び腰だった企業様方も、現在ではかなり前向きにFAを検討されていると聞きます。
ただそれと同時に現場からは”ロボットが導入されれば人間が必要なくなってしまう”といった声があがっているとも聞いております。確かに現職員の方々にとっては食事も休憩も取らず長時間稼働可能なロボットを目の当たりにすると、自分の業務が不要となってしまうかもしれないという恐怖を感じてしまうかもしれません。確かにロボット導入により人間が不要になるセクションは確実に増えるでしょう。これは人間が”ロボットに取って代わられる”という事に繋がってしまうのでしょうか…
❖ロボットは人間が嫌がる仕事のみを奪う❖
結論からお話させて頂くと…
この先将来、ロボットは確実に人間の仕事を奪うことは間違いありません。
そしてロボットが人間から奪う仕事➡人間が嫌がる仕事のみです。
ロボットはなぜ導入されるのか?
そもそもロボットは何の目的で現場に導入されるのでしょうか。答えは非常にシンプルです。ロボットは”人々の暮らしを豊かにするため”に導入されるのです。人々の妨害をするため導入されるものではありません。
人類の歴史上、新しい技術が導入された際は必ず大きなインパクトを与えるとともに、”新しい技術により人間がいらなくなる”といった議論が発生しています。しかし結果として例外なく新しい技術が導入される毎に、人々の生活レベルは向上しました。例えば、第1次~第4次産業革命により人々の暮らしがどう変化したかを見れば、ロボットがなぜ現場に積極的に導入されているのか分かります。多少乱暴に言うとすれば、歴史的に人々が手作業(マニュアル作業)による生産性の向上に限界を感じている時、当時の最先端のテクノロジーにより非効率作業が高効率化されることにより産業革命が引き起こされ、生産性が著しく向上しました。その結果、様々な分野における大量生産が可能となり生活必需品等が低価格化することにより、人々の生活レベルは劇的に向上しました(もちろん負の側面もありますが)。終わりの見えないコロナ禍において現場は様々な問題を抱えています。そのような中で人々がロボット導入により問題解決を図ろうとすることは歴史的に見ても当然のことです。ロボット導入が現在の課題解決の糸口であると認識され、産業の構造が大きく革新されようとしていることは間違いありません。
ロボットが奪う仕事はどれか?
それではロボットはどのような業務に投入されるのでしょうか。これに関しても答えは非常に明確です。それは①非効率で生産性が低い業務②人々が嫌がる業務であり、いずれも人間が業務に従事することが望ましくない業務です。
①非効率で生産性が低い業務
人間がロボットに比して優れている点は、人間独特の美学や感性に基づく芸術分野です。反対に一定の反復作業やデータ作業等は絶対にロボットには敵いません。なぜなら人間が関わる限り、絶対にヒューマンエラーは発生するからです。またこのような業務は長時間の立ち仕事や、単調な繰り返しながら長時間集中力を持続させることが求められ、肉体的にも精神的にも人間の負担となります。ロボットは定期的なメンテナンスやシステムトラブルを除き、休むことなく単調な作業を正確に長時間従事することが可能です。歴史的にもこのような業務が真っ先に産業革命により高効率化されてきました。人間が単純作業に関与すれば必ず労務的な問題が発生するため、ロボットが人間の代わりに業務に従事することにより私達は多大な恩恵を受けることが可能になるのです
②人々が嫌がる業務
現代の日本社会における”人手不足”の根本的な原因はどこにあるのでしょうか。募集すれど人が集まらない原因、それは労働環境にあると考えます。慢性的な人手不足に悩む職場は、過酷な労働環境(俗にいう3K)や低賃金等、人間が基本的に嫌がる要因(もちろん労働人口の減少も一因です)が顕著です。ロボットが積極的に導入されている現場はまさに上記にあるような人間にとって過酷な労働環境であり、社会の隙間を人間のために補完するためにロボットは存在するのです。
労働環境と人手不足の関係性が顕著に表れた例が、イギリスのブレクジット後の現在の状況ではないでしょうか。”イギリスの雇用が移民に奪われている”との主張のもと行われたEU離脱でしたが、実際ブレクジット後に外国人の季節労働者が激減しても、イギリス人失業者がこれまで移民が担っていた仕事に就くことはありませんでした。
日本においても2021年11月現在における完全失業率は2.8%と発表されておりますが、依然として各業界では深刻な人手不足が叫ばれております。労働環境や労働条件は現代社会における職探しにおいて最重要事項であり、求職者にとって魅力的ととられない職業はこれからも人手不足が解消することはないでしょう。
◇ロボット導入が逆に雇用を増やすという事実◇
上記のようにロボットは今後、確実に人間が嫌がる労働環境へ次々と導入されていくでしょう。それでは社会におけるそのような業務に従事する人々の雇用はどうなってしまうのでしょうか。
結論からお話すると、ロボット導入を行った企業は労働者数が増加し、ロボット導入を行わなかった企業は労働者数が減少するという分析結果がCEPRのポータルサイトであるVoxEU.orgに掲載されています。研究の元となるデータはスペインが行っている同国の製造業約1900社に関する年次調査”ESEE”より提供されています。
◆参照◆
"Robots and firms"
Michael Koch, Ilya Manuylov, Marcel Smolka 01 July 2019
https://voxeu.org/article/robots-and-firms
ロボット導入企業の雇用の増加
まず下のグラフは産業用ロボットを導入している企業(Robot adopters)と導入していない企業(Non-adopters)について年ごとの労働者数の変化を示しています。データによればロボット導入企業は確実に労働者数を増やしているのに対し、導入していない企業の労働者数は年々減少しています。
ロボット導入企業の高効率化
また次のグラフはロボット導入企業と未導入企業について、技術進歩や生産の効率性を示す”全要素生産性”の差を表しています。研究ではロボット導入による直接的な効率化及び間接的な効率化の定義がありますが、乱暴に言ってしまえば-◆-Actualがロボット導入企業の効率化の伸び率です。グラフを見て頂ければわかるように、ロボット導入した企業の場合は明らかに非導入に比べて圧倒的に高効率化しています。
研究によればロボット導入企業は5年以内に産出量が20~25%増加し、さらに総雇用が約10%増加することが判明しております。この研究の結論の中で「ロボット導入企業はその事業規模を拡大し新たな雇用を創設する一方、導入していない企業はハイテク企業との競争に直面し経済活動と雇用が悪化する」という一文があります。この研究が示す通り、テクノロジー導入企業とそうでない企業の間(ロボット導入が難しい業種や効果が低い業種はもちろんあります)には決定的な差があるようです。
❖結果的にロボットは人間に仕事を与える❖
このメールマガジンの冒頭で提起した「ロボットは人間の仕事を奪うのか?」という問いに対し、皆様はどのようなご意見をお持ちでしょうか。私は現在の業界の状況や統計データを基にした研究を見る限り「ロボットは人々の暮らしを豊かにし、新たな雇用を創設する」ものであると考えます。生産現場における工程が高効率化されることにより生産性及び利益率が大幅に向上すれば企業が事業を拡大することが可能になり、その事業拡大により新たな雇用が創設されるというサイクルが実際に起きていることはデータにより示されております。また特筆すべきはロボット導入企業と未導入企業の生産性に決定的な差が生まれるというデータです。今後は更なるテクノロジーの進化によりその差は更に拡大していくことでしょう。私達自身も常日頃から情報収集や自学研鑽により時代と共に成長していく必要があると強く感じます。
今回、参照した研究データはCEPRのポータルサイトVoxEU.orgに掲載されている”Robots and firms”です。大変興味深い研究ですので是非一度お見通し下さい。日本語翻訳が必要な場合はGoogle翻訳が便利です。
それでは以下に弊社のロボットや機械を4種類ご紹介します。どれも現場の高効率化のために開発されたものばかりであり、皆様のお役に立てると確信しております。ぜひカタログや動画をご確認頂き、今後の皆様のFAにご活用頂ければ幸いです。
①Baker-Bot:ベイカーボット
②MultiStation:マルチステーション
③Compact:コンパクト
④HopperTopper:ホッパートッパー
★日本初上陸★
これこそ食品業界の未来!
充填からトレー運搬まで全てをこなす最強マシン
タスクをプログラミングすることにより、各種充填作業やトレー運搬等を行います。
近い将来、食品業界ではこのようなロボットが大活躍すること間違いありません。
【特徴】
❶安全性
Baker-Botは協働ロボットですので作業員のすぐ隣において稼働できます。
保護ケージ等は必要ありません。
❷移動力
Baker-Botは固定式ではないので、他の生産ラインへ作業員の手により移動させることが出来ます。
❸柔軟性
Baker-Botの操作は本体のインターフェイスとLANケーブルで接続されたタブレットで行います。
どちらも簡単に直感で操作できるようデザインされており、スマートフォンを操作出来る方ならBaker-Botも問題なく操作できるでしょう。
当社ベストセラー万能充填機!
約100種類のアタッチメントと4つのモデル食品業界デポジッター
製品・生産量・使用形態に合わせてカスタムが可能です。
液体や粘性の高いもの、固形物の有無に関わらず幅広くお使い頂けます。
【特徴】
❶対応力
Compactは4種類のモデルが存在し、更に約100種類のアタッチメントにより使用環境に最適なカスタムを行うことが可能です。
❷整備性
Compactは部品点数が非常に少なく、電力を使用しないため90%の部品は水洗い可能です。組立・分解・清掃の作業に時間をかける必要はありません。
❸正確性
Compactはシンプルな構造・コンパクトなボディにも関わらず正確な充填が可能です。7~530mlの幅広い範囲をカバーします。
小さなスペース大きな成果!
液体~固形物〜粘体まで幅広い製品に対応
高速&同時多連充填による業務効率の向上多連装ノズル及びコンベヤ搬送により省スペース&高効率化を同時に実現します。
そのコンパクトなボディは設置場所を選びません。
【特徴】
❶省スペース
MultiStationはコンパクトなボディで如何に作業効率を最適化出来るかを念頭に設計されております。設置場所に悩む必要はありません。
❷高速大量生産
MultiStationはその特徴から短時間での大量生産が可能です。
ノズルの変更&調整により様々な用途に対応可能となっております。
❸操作性
MultiStationはボディにタッチパネルを搭載しております。
直感的な操作で全ての機能をお使い頂けます。
充填物をホッパーへ無人搬送!
自動供給・省人化のための搬送システム体から粘体まで、高速移送ポンプ
センサーが自動で残量を識別し自動で製品を搬送します。
これまでの重労働を大幅に削減、現場の作業環境を劇的に改善します。
【特徴】
❶全自動
HopperTopperはホッパーに設置する残量センサーにより常にホッパー内の水位を保ちます。
❷整備性
HopperTopperは非常にシンプルな構造で設計されており、組立・分解・清掃を極めて短時間で完了することが出来ます。
❸融通性
昇降機能・移動能力が備わっており、今まで必要であった作業員による手搬送は限りなく必要なくなります。
今回も最後までお読み頂きまして本当にありがとうございました。2022年も引き続き皆様と成長していくことの出来るUnifiller Japanでありたいと思いますので、今年も何卒よろしくお願い致します。また弊社の機械やサービス、記事に関するご意見ご感想がございましたら是非お教えください。
それでは皆様、2022年も共に成長してまいりましょう‼
情報処理/海外担当
奥 献吾
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